例え話。

yumemimanako2005-12-01

とある芸術家が川に橋を架けました。
今まで渡るために遠回りなど苦労が強いられてきた場所であったため、
とても便利になって人々はとても喜びました。

なぜ芸術家が橋を架けたのかと聞かれ、芸術家はこう答えました。
『私の作った橋をみんなに見てもらいたかったからだ。
人の為を思ってやった訳ではなく、この橋という私の作品を人々に見て欲しいから作った』
そう芸術家は言いました。
それでも人々はその橋を利用させてもらいました。
芸術家の考えはともかく 橋が架かった事はとてもありがたかったのです。
もちろん、その橋の芸術性を誉める人もいました。


そして、少し時間が経ちました。
その頃には芸術家の橋は風景に、人々の生活に溶け込んでいました。


ある日突然、芸術家は橋を外してしまいした。そして、こう言ったのです。
『この橋は私が作りたくて作った作品です。人に見て欲しくてここに架けてありましたが
思うところがありますので撤去する事にしました』

すでに生活の中に溶け込んでいた橋を失ってある人は嘆き、ある人は怒りました。
芸術家にも事情があるのだからしようがないと諦める人がいれば、芸術家を罵る人もいたかも知れません。

でも、今までその橋を使って生活してきた人達がみんな困ってしまった事は確かでした。